文弱日記

文学とサブカルとお役所生活

見栄

男は女に見栄を張る生き物で、強くないのに強がるし、金がないのに金があるフリをする。ある男がばーんと大金叩いて、女の就職祝いをした。

「どうしたのこんなお金?」

「就職祝いと渡せなかった誕生日プレゼントも兼ねてさ」

「お小遣い制なんだよね?大丈夫なの??」

「…うん、その中からコツコツ貯めてた」

「またバレたら怒られるよ、こんな使い方して」

「元はと言えばぼくのお金だし、気にしないで」

「でも、」

「きみに貢ぐんだからもう少し喜んでくれたっていいじゃないか」

「ゴメン。怒れる人の立場が羨ましくてさ、少しイジワル言ってみただけ」

もらったお金で女は北海道旅行に出る。きっと、これから彼氏になるぼくの知らない男を連れて。