真夏の夜の夢

「危ないですよ先輩、車道出てますって。酔っているんじゃないですか?」

「酔ってないよ~だ。あれくらいで酔いますかって」

「じゃあ一つ問題を出します」

「はーい」

「どうして車道を歩いてはいけないんですか?」

「ライオンに食べられちゃうから」

「酔ってますよね」

「酔ってないって」

「じゃあもう一つ問題を出します」

「うん」

「酔ってるって10回言って下さい」

「酔ってる酔ってる酔ってる……めんどくさい」

銀河鉄道999のヒロインは?」

メーテル

「MPを回復するアイテムは?」

エーテル

「血管などに挿入し、検査や治療を行うための医療用の管の総称は?」

カテーテル

「酔ってますね」

「なんでよ」

・・・。

「今日は楽しかったです」

「私も楽しかった」

「ちゃんと話したのはもしかしてこれが初めてかもしれませんね」

「むかしは何だかんだで本の話ばっかりだったからね」

「むかしとかやめて下さい。まだ7年前ですよ」

「当時から可愛げのない後輩だったよね~きみは。そうそう、あれ、覚えてる?はじめの挨拶のときのスピーチw」

「そんな黒歴史掘り返さないでください」

「ちょっとアレな人かと思ったよ」

「だからやめてくださいって」

「ふふ、大丈夫、半分嘘だから」

「半分本当なんですか」

・・・。

「ぼくはこっちの道です」

「私はあっちの道」

「ここでお別れですね」

「そうだね」

「明日からはまた会うこともないんですね」

「そうだね」

「今までお世話になりました」

「今までお疲れさまでした」

・・・。

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・・・。

「今日は楽しかったです」

「私も楽しかった」

「ちゃんと話したのはこれが初めてかもしれませんね」

「むかしは何だかんだで本の話ばっかりだったからね。初めて見たときはちょっとアレな人かと思ったよ」

「突然ぶっ込んでくるのやめて下さい」

「半分嘘だから」

「半分本当なんですか」

・・・。

「ぼくはこっちの道です」

「私はあっちの道」

・・・。

「・・家まで送りましょうか?」

「いいの?」 

「反対方向ってわけでもないですし、終電はまだまだありますから」

「じゃあお言葉に甘えようかな」

・・・。

「きみは結婚願望とかってあるの?」

「うーん、どうなんですかね」

「意味深な反応だ。そういえば彼女とかは出来たの?」

「まぁ、ぼちぼちです」

「なにその回答~?ちゃんと答えてよ」

「ぼちぼちってことです」

「ふ~ん、ぼちぼちなんだ。じゃあさぁ、その”ぼちぼち”な彼女と結婚するつもりはあるの?」

「うーん…結婚かぁ…」

「ってやっぱいるんかい!」

・・・。

「明日からはまた会うことはないんですね」

「そうだね」

「今までお世話になりました」

「今までお疲れさまでした」

・・・。

「どうしました?」

「最後に一つだけお願いがあるんだけど」

「何ですか?」

・・・。

「抱きしめてほしいな」

「え・・」

「・・・」

「・・・」

「・・冗談だよ。それじゃあ、元気でね」

・・・。

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・・・。

「きみは結婚願望とかってあるの?」

「うーん、どうかな」

「意味深な反応だ。そういえば彼女とかは出来たの?」

「…ハイ、一応まぁ」

「へ~、きみを好きになる物好きがいたんだね」

「言わせてもらえば先輩こそですよ。立花さんはどこが決め手で先輩と結婚するだなんて」

「私、こう見えてもモテるのよ。というか、こう見えるから、かしらね」

「先輩、やっぱ酔ってますか?」

・・・。

「明日からまた会うことはないんですね」

「そうだね」

「今までお世話になりました」

「今までお疲れさまでした」

・・・。

「どうしました?」

「最後に一つだけお願いがあるんだけど」

「何ですか?」

・・・。

「抱きしめてほしいな」

「え・・」

「・・・」

・・・。

「はい」

「・・・」

「・・・」

・・・。

「まぁ、歩きましょう。なんか暑いね、変な汗かいちゃったよ」

「うん」

・・・。

「あの、先輩はこれからどうするつもりですか?」

「結婚してからってこと?」

「はい」

「彼は今まで通り自由にしていいって言ってるけど、私は専業主婦かな。」

「先輩が専業主婦ですか?」

「なに笑ってるのよ。大学教授の嫁なんだから、それぐらいの待遇当然でしょ」

・・・。

「そういえば、きみはその彼女と結婚する気あるの?」

「結婚したいとは言われてる」

・・・。

「でもぼく、ほんとに彼女をしあわせにできるのかわからなくて」

「結婚がしあわせのゴールだってw 相変わらず頭が古いな~きみは」

「先輩はしあわせですよね」

「私だって胸を張って”しあわせ”です、なんて言える感じでもないし」

「いや、先輩は幸せですよ。なんせ、顔に出ちゃってますから」

「そんなにニヤけてる?」

「いつもの3倍はバカ面です」

「あのね……」

・・・。

「きみは絶対彼女をしあわせにできるよ」

「何でですか」

「だって優しいんだもん」

「見せかけですよ」

「こんな先輩に高校2年間、ずっと付き合ってくれたもん」

「たしかに、あれは我慢我慢の日々でしたね」

「ってオイ」 

・・・。

「きみはそのままでいてほしい」

「今さら変われません」

「最後に一つだけアドバイス」

「ありがたく受け取ります」

「我慢ばかりしないで、自分が幸せになれることも考えな」

「はい」

・・・。

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・・・。

「危ないですよ先輩、車道出てますって。酔っているんじゃないですか?」

「酔ってないよ~だ。あれくらいで酔いますかって」

「じゃあ一つ問題を出します」

「うん」

「どうしてサバンナは危険なところなんですか?」

「ライオンに食べられちゃうから」

「酔ってないみたいですね」

「えっへん」

「それじゃあ」

「うん」

・・・。

「今までお世話になりました」

「今までお疲れさまでした」

・・・。

end..