青春の文学

太宰治を嫌う人は多い。

たとえば作家の三島由紀夫なんかは『小説家の休暇』というエッセイの中で、太宰について興味深い発言をしている。―自分がいかにダメかということをあれほどまでに強調するのは、単なる開き直りではないか。治りたがらない病人は病人でいる資格がない。と。

三島由紀夫の青年期における太宰治への傾倒ぶりやその初期作品における類似性を考えると、この発言は嫉妬とも近親憎悪とも取れる。しかしその言は正しいと思う。

 劣等感や欠如を隠さず、一見謙虚にも自己の欠陥を語るよう装いながらも、その実したたかに開き直り、自己弁護をしながら周囲への批判を展開していくその姿、たしかに浅ましい。そしてそれはぼくがよくやるやつ。

太宰治の作品を読み返してて思った。現実の会話でも、ツイッターでもブログでも、言葉遣いには気をつけなきゃ、と思った。