踊るダメ人間の思い出

通勤電車の中書いています。

「オーダメ人間として生きる愚かさを
あまねく全ての人に伝えたい」

シャッフル再生で音楽を聞き流していると、筋肉少女帯の「踊るダメ人間」が流れてきた。むかし好きだったバンドだ。「ダメ人間」という今では聞き慣れた言葉を作った歌だとも言われている。

この曲との出会いは、たしか中学生のときに聴いていた「ラジアンリミテッド」というラジオ番組のワンコーナー「ダザイ」だったと思う。太宰治になったつもりで一言、をラジオリスナーから募集するというとてもシンプルな大喜利コーナーだった。
ぼくも何度か応募して、一度だけ採用されたことがある。ネタは忘れてしまったけど。

そのコーナーのBGMとして流れていたのが「踊るダメ人間」。当時からサブカルが好きだったぼくは、「江戸川乱歩の踊る一寸法師から拝借したやつだなこれは」と、作詞した大槻ケンヂの意図を勝手に読み取り満足していたものだ。

深夜ラジオを聴き始めたのは小学生のときだった。当時から夜の寝付きが悪かったぼくは、眠れない日は寂しさと不安から泣いて過ごしていた。
テレビを観たりゲームをしたりして適当に時間を過ごすことができればよかったが、2DK30平米に6人家族で住んでいた当時の住環境では、そんなことができるプライベートスペースはなかった。

寂しく長い夜の時間、どう過ごすか悩んでいるときに父から勧められたのがラジオだった。以後、大学を卒業するまでの12,3年深夜ラジオを聞き続けることになる。

それと、江戸川乱歩について言うと、サブカルオタクのぼくよりも、活発で明るい兄の方が詳しかったりする。話はまだぼくらふたりが未就学児のときに遡る。

とまで書いていたら、もう駅に着いてしまった。話を広げれば広げるほど、むかしに遡ってしまうのは、きっと人生“アガって”しまったから。

出勤してきます。