個人的には筋肉少女帯で最も好きな曲です。
歌はこう始まります。
モフモフとジャムパン食べている君の横で僕はウムム!と考える
抱きしめてあげる以外には何か君を愛す術はないものか?
「あたしってバカでしょ? 犬以下なの」と微笑む無邪気な君は
本当にバカだ だから アレだ 僕は……
香菜、君の頭 僕がよくしてあげよう
"僕"は、そんな香菜の頭をよくしてあげようと、映画館や図書館に連れて行く。なぜか?何も自分色に染め上げたいから、というわけではない。それは歌の最後に分かる。
香菜、君の頭 僕がよくしてあげよう
香菜、生きることに 君がおびえぬように
香菜、明日、君を図書館へ連れていこう
香菜、泣ける本を、君に選んであげよう
香菜、いつか恋も 終わりが来るのだから
香菜、一人ででも 生きていけるように
僕は、「いつか来る恋の終わり」を予感している。永遠に続く恋などなく、多くの泣ける本において、それは悲劇的な終わりを迎える。ほとんどの恋は淡く、儚く、潰えてしまう。
僕の思いはこうだ。
香菜は僕の事がただただ好きで、僕も香菜のことが好きだ。でも香菜はバカで、世の中のことをわかってなさすぎる。いつかこの恋にも終わりが来る。
僕は醒めています。
しかし僕は香菜の事をまっとうにしてあげたい。いつか別れるその日以降も、彼女には生きていて欲しい。
(この歌を作詞した大槻ケンヂのエッセイに作成秘話があるんだけど、この香菜という少女には実はモデルがいて、相当病んでいます。)
だから僕は、親が子に注ぐ感情にも等しい愛情を以って、彼女を啓蒙してあげるんだ。カルトな映画と泣ける本で(←ここ大爆笑)
香菜とは違い、恋愛や人生に達観しているというポーズを取る僕。その僕が、香菜を啓蒙する手段に選んだのがよりにもよってサブカルという、この人間的浅さ。
この曲の良さは、無知蒙昧な香菜と、その香菜以上に幼稚な僕の恋愛模様を、批判的にではなく、見守るように優しく描いているところにある。
明るくポップな曲調は儚く、哀愁すら漂う。ぜひ歌詞と曲、合わせて聞き入って欲しい名曲です。
みたいな話をずっと話していきたかった。筋肉少女帯というのは、ほんとサブカルホイホイみたいなバンドで、これが好きな人は好きな映画、漫画から生き方まで、ほぼすべてが似通っていて、話がとても合う。筋肉少女帯以外にも、いろんな話をした。
そんな仲間も年を取ればみんな変わっていくようで、気づけば話題はほとんどが生活まみれだ。
車がどうの、時計がどうの、ダイヤ改正がどうの、店格がどうの…お前らオタクだっただろ一番抜ける今期ヒロインの話をしろ!
恐る恐る筋肉少女帯の話を振っても、「まだ好きなの?」で一刀両断。もう二度と会わねぇ。