同窓会

肩まで出した健康的な装いで、夏色に染まった肌をした彼の妹が言う。

 

「○▲※?だいぶ前に治ったよそれw メンヘラなんて青春の麻疹みたいなもんでしょw」

 

もうそんなもの飲んでない、と彼女は続けた。

 

そっか…そうだよな。

 

むかしぼくが好きだった弱った女性は、いまや1児のヤングママ。

普通の人になっちゃったなぁ。

陽炎みたいな恋だったと思えば、なんか愉快だ。

 

彼女の抱く娘は、残念ながら美しい母親ではなく、オタク顔の叔父、ぼくの大親友である彼にとても似ていた。

 

3回忌という名の同窓会。遺影の中の彼の笑顔は、あのときと変わらず弱々しい。