地方公務員を辞め民間のIT企業に転職してしばらく経った。
転職活動なんてとっくの昔に終わったから「転職活動エピソード」のタイトルで続けるのはどうかと思ったけど、早くも次の転職を考えるようになったので、このタイトルで続けることにする。以下、早くも転職を考えている理由(自慢話)が続きます。
1.上司・先輩の不在
未経験者のIT転職なので、「上司や先輩社員にビシビシしごかれて圧倒的成長をしなきゃ」と思い飛び込んだけど、まず上司や先輩社員が職場にいない。というか職場に人がいない。社員の8割がテレワークで、上司はインド、先輩たちは熱海や福岡に長期滞在中。
ビデオ会議の音と特定社員のタイプ音が鳴り響くばかりの、殺伐としたオフィスのなか、観葉植物に水をやりに来る用務員のおばちゃんとしか会話がない。職場での、同僚たちとの交流を通じた切磋琢磨が望める環境ではない。
2.完全放任の成果評価
「偏差値の高い学校の校風は緩い」といった感じで、勤務時間や勤務形態についての縛りが一切ない。12時出社18時退社の人もいれば、12時から15時までランチで帰ってこない人もいる。テレワークを理由に出社していない社員についても、「リモートPCでのログイン履歴等を使って勤務時間を測定・監視している」というような仕組みはなく、プロジェクトの進捗報告をもってしか働きは評価されていない。
プロジェクトも、「上司に割り振られてアサインする」、というよりは、イントラネット内で面白そうな仕事を自ら探し、時には主体的にプロジェクトを作りアサインする、という形。
「アイツ不器用だけど、たくさん残業しているから許すか」とか「悪い奴ではないんだよな。飲み会にもよく顔出すし明るくていいやつ」といった評価で初年度は切り抜けようと思っていたぼくは、その作戦変更を余儀なくされた。そもそも飲み会の開催がない。
3.転職者の多さ
上司や先輩、それに最近入ったばかりの後輩含めて、外資系コンサルやGAFAからの転職組が多く、「前職よりも自由に働きたいから待遇下がったけどここを選んだ」という人たちが多い。歴戦の猛者たちがまたーり余生を過ごす場所。「転職して年収が上がった」と言って喜んでいたのはきっとぼくだけだと思う。
「やっぱりぬる過ぎる」と言って出ていく新卒も、例年少なくない数いる。ぼくも彼らを見習って「いつでも出れる」という気概をもって自己研鑽を行わないと、またーり組織にしがみつく役所型のサラリーマン(これになりたくなくて前職を辞めた)になってしまう。
4.市場の圧力
今の部署ではみなし残業40時間が付いているが、40時間をする人はほぼいない。というか、曖昧な勤務体系を取る社員が多いため、律儀に出勤しているぼくたいな変人を除き、誰も自身の勤務時間を把握できていないと思う。それなのにみなし残業40時間ついているものだから、それは丸々基本給のようなもの。炎上しているプロジェクトによっては40を超えることもあるが、その超えた分についてもしっかり出る。
外資転職組は「下がった」というが、それでも世間一般に比べたら高給取りだ。
ぼくからしたら労働者天国のような勤務条件だが、それは様々な要因によってうちの会社の株がさほど市場からの圧力にさらされていない、という点が大きいと思う。一度、株主への利益還元に舵を切るようなことがあれば、この状況は一変する。いつまでもこの状況は続かない。
前職と現職の比較は以下のとおり。
項目 | 前職 | 現職 |
---|---|---|
テレワーク率 | 10%未満 | 約80% |
勤務時間 |
8:30~17:15+30分 (30分程度は付けずに残務処理) |
完全フレックス (成果評価) |
有給取得率 |
60% (年間20日+夏季休暇5日) |
完全フレックス (成果評価) |
年収(30代前半) |
500~600万台 (残業時間で前後) |
800万台 (標準評価・超過残業代除く) |
業務 |
割り振られた担当によって 日次、月次、年次 の業務が決まっている |
主体的なアサインで決まる |
職場内交流 |
・パワハラ ・定期的な飲み会 ・職場内恋愛 があるくらい活発 |
なし (そもそも職場に人がいない) |
社会的信用 | 高い |
中程度 (業界人にしか知られていない) |
「辞めたら困る」と言われるような人材になれるよう、努力しようと思います。