転職活動エピソード1

30代で未経験だけどITエンジニアになりたくて、藁にもすがる思いでITコンサルの兄に相談したところ、『テスター』という業種を勧められた。

デバッガーとも呼ばれるその業務は、プロダクトをありとあらゆる角度から触り尽くすこと。ITとは名ばかりのライン業務。年収500万台からの募集もあったが、数年後もその仕事を続ける自分の姿が想像できず却下となった。

 

自分でも転職サイトを使って探してみたが、どれも「業務経験2年以上」が必須で未経験者を募集しているのは、悪名高い客先常駐SESしかなかった。

 

ITエンジニアになるのを諦めかけたとき、エンジニア転職サイトを経由して、あるAIテック企業からスカウトのメールが届いた。

 

その会社はITエンジニアではなく「AIコンサルタント」を求めている、という。業務内容や会社の掲げるミッションはどれも横文字ポエムで意味不明。提示年収は700万ととても高い。不審に思い転職会議を見ると、確かに従業員の平均年収は900万とあった。ITベンチャーにしては高すぎる部類だ。提携先の企業にもキリンビールから東京電力と、大企業の名前が多く並んだ。

 

雇用条件はとてもとても魅力的に思えたが、かつてのWEB3界隈を思わせるキナ臭さと、何より業務内容に一切興味が持てず誘いを断ってしまった。

 

お金よりも業務内容で選びたい。

後悔はしていないが、転職活動の一つの分岐点だと思う。